はじめに
ここ最近、デザイナー界隈でやたらと耳にするワードがあるんです。
それが、「AIに仕事を奪われる」──。
ChatGPTに始まり、Midjourney、Stable Diffusion、AdobeのFireflyやCanvaのAI支援機能など、2023年以降はまさに“AIツールの大洪水”といっても過言じゃない状況になっています。
実際、簡単なバナーやテンプレート化されたLPなんかは、AIとノーコードツールを組み合わせれば、非デザイナーでもそれっぽいものを作れる時代になりました。
でも、果たして本当に「デザイナーの仕事」は奪われるんでしょうか?
それとも、「奪われる側」になってしまう人と、「生き残る側」に分かれるだけなんでしょうか?
この記事では、その答えを深掘りしながら、これからの時代に“必要とされるデザイナー”が持っている条件について、5つの視点からお話ししていきます。
第1章:「奪われる仕事」と「残る仕事」のちがい
まず最初にお伝えしたいのは、AIに“奪われる”仕事というのは、決して「全部」ではないということ。
例えばこんな作業、心当たりないですか?
- クライアントの要望をそのままパワポに起こすだけの作業
- ストック素材を並べただけのスライドやバナー
- 決められたワイヤー通りに色と画像をあてるだけの作業
- そもそもフィードバックに「修正待ち」で思考停止している
こういった仕事の共通点は、**“思考しなくてもできる”**ってことです。
言い換えれば「誰でもできる作業」。
しかも、「作業指示が具体的で明確」であればあるほど、AIやテンプレートで代替されやすくなります。
つまり、「考えなくてもできる作業」=AIに取って代わられる可能性が高い領域ってことなんですよね。
第2章:「AIにはできない」人間の強みとは?
じゃあ、逆に「AIにはできない仕事」って何なんでしょうか?
僕の答えは、こうです。
「意味や意図を生み出し、人を動かすこと」
たとえば、
- 「この企業の価値をどうデザインに変換するか?」
- 「この商品の“熱”を、どうビジュアルに落とし込むか?」
- 「このコピーを“刺す”ための構成・空気感はどうすべきか?」
こういう問いに対して、ただ画像を生成するだけじゃなくて、“文脈”をつないで表現を組み立てる力。
これが、これからのデザイナーにとって決定的に重要なスキルになってきます。
AIがいくら画像を生成できるようになったとしても、
“誰のために、何のために、それをどう見せるのか”という設計力や編集力は、まだまだ人間の領域です。
第3章:これからの時代に求められる「5つの条件」
ではここで、僕が考える“AI時代に生き残るデザイナーの条件”を5つにまとめてみます。
① 文脈を設計できる力(=構造思考)
ただオシャレなだけのデザインではなく、
**「誰に、何を、どう届けるか」**を明確に設計できる力。
構造思考やロジカルシンキングとも言えます。
この力がないと、どれだけ美しいビジュアルが作れても「なぜこれなの?」が説明できず、AIと同じ扱いになってしまいます。
② 意図を言語化できる力(=コンセプト設計)
クライアントやチームに対して、**“言葉で納得させられる力”**を持っているかどうか。
ここが今後もっとも重要になります。
なぜなら、「AIでいいじゃん」に対して、ちゃんと説明できるかどうかが価値の分かれ道になるから。
第3章:これからの時代に求められる「5つの条件」(つづき)
③ 感性を“独自性”に昇華する力(=編集力・世界観構築)
美しい、整っている、洗練されている──
それだけでは、もはや差別化にはなりません。
いま求められているのは、「どこにもない世界観を編集できるデザイナー」です。
たとえば、“昭和レトロ × サイバーパンク”みたいなミュータント的なミックスも、
ただの混ぜ合わせじゃなくて、芯の通った文脈と構成があるからこそ“作品”として成立する。
つまり、AIで生成されたイメージをただ並べるんじゃなくて、
それを「どう料理していくか?」という編集力・美学の組み立てが差を生むってことですね。
④ 実装・運用まで見据えたUX視点
これからは、単に「見た目を整える」だけじゃ通用しません。
- ユーザーはどう動くか?
- どの導線がコンバージョンに影響するか?
- 情報の流れは整理されているか?
こうしたUX・UI設計まで踏まえた視点を持てるかどうかが、
“思いつきデザイン”と“戦略的デザイン”を分ける決定的な差になります。
さらに言えば、LPならKPI(CVRとか)に対して改善提案ができる。
ブランドサイトなら継続運用・更新のしやすさを設計に織り込む。
クライアントの未来を想定できる力。
これも人間にしかできない仕事です。
⑤ “自分を伝える”セルフブランディング力
意外かもしれませんが、最後の条件は**「自分自身の“魅せ方”」**です。
今やポートフォリオだけじゃなく、SNSやnote、ブログ、動画など、
自分の思想・価値観・美学を伝える発信力がある人が選ばれる時代です。
なぜなら、クライアントは「デザインだけでなく“誰に頼むか”」で選んでるから。
あなたが何を大切にしていて、どんな熱量で仕事をして、
どんな世界観をつくっているのか──
それを**“表現できるかどうか”**が、仕事に直結する時代になってきています。
第4章:「量産型」の時代はもう終わった。
かつては、「言われたことをちゃんとこなす人」が重宝されていました。
でも今は、「突き抜けた個性を持つ人」しか目立たなくなってきているのが現実です。
これは、SNSの普及や、コンテンツの飽和によって、「平均点」の価値が下がってきたから。
もう、「ちゃんと作れる」は当たり前。
それよりも、
- なんか気になる
- 世界観が刺さる
- 頼んだら“想像超えてきそう”
そんな **“魅せ方”や“余白のある表現”**に、時代は価値を見出し始めています。
つまり、「突き抜ける個性」と「構造的な思考力」、
両方を兼ね備えたデザイナーこそが、これから生き残るということなんです。
第5章:これからのデザイナーの戦略とは?
ここまでを踏まえて、僕が提案したいのは、次のような“これからの戦略”です。
1. 自分の「思想・世界観」を持つ
まず何よりも、「自分は何を信じてデザインしてるか?」という“思想”を明確にすること。
これは「美学」と言い換えてもいい。
その美学を言葉にできれば、世界観に一貫性が生まれます。
2. 情報発信で“武器”を見せる
ポートフォリオだけじゃなく、noteやブログ、SNSなどを使って、
自分の考え方・戦い方・思考の深さを見せていくこと。
「この人に頼みたい」って思わせるには、“考え方”の可視化がめっちゃ大事です。
3. 「設計力」を育てる
ただ見た目を整えるだけじゃなくて、“設計する力”=構造化思考やコンセプト設計を磨く。
これができれば、価格競争から抜け出せますし、
クライアントにも「AIじゃ無理だわ」と思わせることができます。
第6章:じゃあ、我々デザイナーはどう生き残る?
ここまで「AIに仕事を奪われるか?」という問いに対して、
“奪われる領域”と“奪われない領域”の話をしてきました。
結論としては、
AIに奪われるのは「思考しない仕事」だけ。
逆に、「思考し続けるデザイナー」はむしろ生き残るどころか勝ち残る。
ってこと。
ほんなら、これからの時代に必要な“生き残り戦略”を5ステップでまとめてみます。
【生き残るための5ステップ戦略】
STEP1:自分の「思想」と「美学」を明文化する
なんとなくやってるデザインに、魂は宿りません。
「自分はなぜこういう構成にしたのか」「この色にはどんな意味があるのか」──
そうやって**“言語化できるセンス”**を育てることが第一歩。
STEP2:「強み」と「戦い方」を決める
・エモに振るのか?
・UXに強くなるのか?
・ブランド戦略まで踏み込むのか?
自分のポジショニングを明確にすると、「誰に選ばれるか」が決まってきます。
STEP3:AIを“下僕”にする
「使えるAIは全部使う」くらいの気持ちでOK。
画像生成、構成補助、ライティング補助、アイデア出し…
全部、自分の“武器”として使ってこそプロ。
STEP4:思想と世界観を発信する
note・ブログ・SNSなどを活用して、**“誰に頼みたいと思わせるか”**を意識して発信する。
「この人の感性、好きかも」と思わせたら勝ち。
STEP5:言語化と設計を“極める”
最終的に生き残るのは、**「言語で説得できるデザイナー」**です。
デザインは“目に見えない価値”を提供する仕事。
だからこそ、「なぜこのデザインなのか?」をロジカルに語れることが命綱。
第7章:AI時代、君はどう進化する?
正直言うと──
AIの進化は、ウチらにとってめちゃくちゃチャンスでもあると思ってます。
だって、今まで「なんとなくの感覚」だった領域を、
「AIにはできない、人間だけの価値」として再定義できるんやけん。
- 美学を磨こう。
- 世界観をつくろう。
- 思考力を鍛えよう。
- 発信して、言葉にして、共有しよう。
そして何より──
**「自分だけのデザインを、信じて貫ける強さ」**を持つこと。
これが、AI時代における“最強の生存戦略”じゃけぇ。
おわりに:デザインの未来に不安があるあなたへ
もし今、「このままで仕事なくなるんじゃないか…?」と不安なデザイナーさんがいたら、
それは“感度が高い証拠”でもあると思います。
だからこそ、いまの不安をバネにして、
「AIと共存しながら、AIにはできない価値を磨く」──
そんな戦い方に、ぜひ一歩踏み出してみてください。
💬デザインの未来に不安がある方へ──相談してみませんか?
- 自分の強みってどう打ち出せばいいの?
- そもそも自分のデザイン、どう見られてるの?
- 発信とかポートフォリオの設計、手伝ってほしい…
そんなデザイナーさん、事業者さんへ。
我々があなたの“設計者”として、全力で伴走します。
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