第1章:「ジャンルを守る」から「壊す」がカッコいい時代へ
昔は、デザインにおいて“統一感”や“世界観”を守ることが美徳とされていました。
ファッション、音楽、建築、広告…どの分野でも「ジャンルに忠実であること」が、プロとしての矜持のように語られていた時代。
でも今、SNSやZ世代を中心に“ジャンル破壊”が逆にオシャレとされる流れがきてます。
「え、それって成立するん?」
「この要素、前はNGやったのに…今はむしろカッコええやん!」
こういう“価値の転倒”が、今めちゃくちゃ起きてるんですよね。
第2章:SNS時代に“混ぜる”がバズる理由
TikTokやInstagramのリール文化を見てもわかるように、「目を引く」ことが何より重要になってきました。
そこで求められるのが、
・予想を裏切る ・既視感を壊す ・“なんでか分からんけど気になる”違和感
これらをデザインで表現しようとした結果、
“あえて混ぜる”=“ジャンルを破壊する”という表現が強くなってきたわけです。
たとえば、こんな事例👇
- 和風テイストにゴシックホラーをぶち込む
- 昭和レトロとサイバーパンクをごちゃ混ぜにする
- 清楚なミニマルLPにストリートアート風の手書き文字を挿入する
どれも、ジャンルの“セオリー”を完全に壊してます。
でも、それが逆に「今っぽさ」や「センス良さ」に見えてしまう。
これ、ある意味で「文化的フュージョン」とも言えるし、
“情報量の多い現代人の感性”に合った表現とも言えるんです。
第3章:「ミスマッチ」は恐れるものではなく、武器になる
デザインの現場で、よくこんな声を聞きます。
「ちょっと合ってない気がする」
「ジャンルがブレてますよね」
「トンマナが一貫してないかと…」
それ、全部「正解」だった時代も確かにあります。
でも、今はその“ブレ”こそが価値になるフェーズに入ってるんです。
たとえば、
- カルチャーミックスのZINE
- カオス×秩序のMV演出
- フォント・テクスチャ・写真を“あえてズラす”アートディレクション
これらは一見すると「違和感の塊」だけど、
受け手の脳には“引っかかり”として残る。
そしてこの“引っかかり”こそが、現代デザインにおける強力な武器になります。
第4章:「混ぜ方」にはセンスより“意図”がいる
ただし、「なんでも混ぜたらええ」わけじゃない。
ジャンル破壊が効果的なのは、「ちゃんと意図がある場合」だけです。
たとえば、
- 単に奇抜にしたいだけ
- とりあえず詰め込んだだけ
- バズってるからマネしただけ
このパターンは、ただの“散らかったデザイン”になってしまいます。
大事なのは:
- 何と何を混ぜるのか
- なぜそれを混ぜる必要があるのか
- 混ぜることで“何を伝えたいか”
この設計がないと、見る人は「意味不明」ってなって終わりなんよ。
第5章:「混ぜるデザイン」は“設計”で勝負が決まる
“ジャンル破壊”のデザインって、突き詰めると「混ぜ方の設計力」にかかってます。
センスや感覚も大事なんですが、実はそれ以上に
「文脈をどう作るか」「矛盾をどう正当化するか」っていう“裏ロジック”がカギになるんです。
たとえばこんな設計例:
- テーマ:温故知新(レトロ×未来感)
→ 配色はくすみカラーとネオンを両立、フォントは明朝とSF系をMIX
→ コンセプト文に“時代をまたぐ”要素をしっかり入れて正当化 - テーマ:カルチャーギャップ(和×ヒップホップ)
→ 和柄+ストリートスラングをあえて並列化、グリッド構造はキッチリして見やすく
→ 狙って混ぜた違和感で、“新しい”和モダンとして成立
このように、意味を設計してあげることで、カオスなデザインが“説得力のある表現”に変わるんですよね。
第6章:ジャンル破壊を求めるクライアント心理とは?
最近は、クライアント側からこんな相談を受けることが増えました。
「なんか、今っぽくしてほしい」
「“他と違う”感じを出したい」
「普通すぎると埋もれそうで…」
つまり、「整理されすぎたデザイン」よりも、“引っかかる何か”を求めているんです。
なぜなら…
- ユーザーのスクロール速度が爆速すぎて“整ってるだけ”では止まらない
- どの業界もデザインの平均レベルが上がり、差別化が難しくなっている
- SNSのアルゴリズムは「違和感」や「珍しさ」を優先して拡散する傾向
こうした背景があるからこそ、クライアントは
「ちゃんとしてる」より「目立つ」
「綺麗」より「クセがある」
を求めるようになってきてるんです。
第7章:“混ぜすぎ”を防ぐバランス感覚
とはいえ、やりすぎると逆効果。
クライアントが最終的に困るのはこういうケースです。
- SNSではウケたけど、ブランドとして成立していない
- 資料や営業用には全く使えないビジュアルになった
- 一部の層には刺さるけど、大多数が置いてけぼり
このギリギリのバランスを取るために、僕が意識してるのは:
✅混ぜるのは最大「2ジャンル」まで
→ それ以上は軸がブレすぎて“カオス化”するリスクが高いです。
✅「ベース7割/アクセント3割」で考える
→ メインはあくまで“伝わるデザイン”、ジャンル破壊はアクセント程度に。
✅“言語化”できる混ぜ方かを常に確認
→ 自分で説明できない混ぜ方は、基本的にNGです。
この3つを意識するだけでも、「ちゃんと面白い」「ブレてないけど目立つ」デザインが作れるようになります。
第8章:プロが実践する「ジャンル破壊」の提案法
ジャンル破壊デザインって、自由にやっていいわけやないんよね。
特にクライアントにどう提案するかが肝で、間違えると「なんか派手なだけのやつ出してきた」と思われかねん。
そこで僕が実際にやってる提案ステップを紹介します。
🔹ステップ1:まずは“あえて王道案”も出す
最初に、クライアントの安心材料として「ちゃんとした案」を用意します。
✔ 競合比較で埋もれない王道パターン
✔ ブランドトーンに沿った守りのデザイン
✔ いかにも“普通に良い”やつ
これがあることで、次に出す“尖った案”の価値が際立つんです。
🔹ステップ2:尖った案は“意味と戦略”を言語化して出す
✔ なぜジャンルを混ぜたのか?
✔ どんなターゲットに刺さるのか?
✔ どんな行動を促す狙いがあるのか?
これらをきちんと言語化してから出すと、感覚じゃなく戦略として受け止めてもらえるんですよね。
🔹ステップ3:最終決定は「体験」を共有する
デザインだけじゃなく、モックアップやプロトタイプで“体験させる”のも効果的。
- LPなら実際にスマホでスクロールさせてみる
- SNS投稿ならタイムラインに紛れさせて目立つか確認
この“ユーザー目線”での体験を共有すると、感覚のすれ違いを防げるし、クライアントの納得度もグッと上がります。
第9章:ジャンル破壊デザインは「感性の解放」でもある
最後に、僕がジャンル破壊デザインを大事にしてる理由をちょっと語らせてください。
✔ 自分の中の「好き」を1つに絞れない
✔ “統一感”に縛られると表現が死ぬ
✔ アートでも商業でも「ハミ出す力」が人を惹きつける
そんな想いがあるからこそ、“混ぜるな危険”をあえて混ぜる勇気を持ちたいんですよね。
もちろん、伝わらなければただの暴走。
でも、伝えるための設計力と意味づけがあれば、
“危険”は“魅力”に変わる。
まとめ:ジャンル破壊デザインのポイントおさらい
ポイント | 内容 |
---|---|
混ぜるテーマは2つまで | 軸がブレすぎないようにする |
意味と文脈を必ず設計する | 感覚だけで混ぜない |
「王道案」と「尖り案」セットで出す | クライアントの安心感を担保する |
“体験として提案”する | 実際の見え方・使い方で納得感UP |
好きを封じ込めない | 感性を信じて試す勇気も大事 |
デザインの相談、お気軽にどうぞ!
「ジャンルをどう混ぜるか悩んでいる」
「自社のブランドに“引っかかり”が足りない」
「安全パイではなく、ちゃんと刺さる提案がしたい」
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