はじめに:デザインって“オシャレ”じゃないとダメ?
最近、打ち合わせや講座の現場でよく聞かれる質問があります。
「やっぱりデザインって、オシャレじゃないとダメですか?」
この質問、実はすごく本質的なんですよ。
なぜなら、「デザイン=見た目のカッコよさ」と思っている方は、案外多いからです。
もちろん、洗練されたビジュアルは重要です。
でも…実際に成果を出しているデザインって、“オシャレっぽい”だけでは成立していないんですよね。
今日はこのテーマについて、深掘りしていきます。
第1章:“オシャレっぽい”の罠
まず、“オシャレっぽいデザイン”ってどんなイメージでしょう?
- 洗練されたフォント
- 余白がしっかり取られている
- 彩度低めでシックな色合い
- 海外サイトっぽい雰囲気
こういう要素が揃うと、確かに「なんかいい感じ〜」にはなります。
けどね、これって“目的を果たすためのデザイン”としては本当に適しているかは別の話。
たとえば──
子ども向けのイベント告知に、スタイリッシュなグレーベースのシンプルデザインを使ったとします。
おしゃれではあるけど、子どもや親御さんの目に止まるか?と言われたら、ちょっと疑問ですよね。
デザインには必ず「届けたい相手」と「叶えたいゴール」があります。
それに合ってない“オシャレっぽさ”は、逆にノイズになってしまうんです。
──つまり、「オシャレ」は手段であって、目的ではない。
第2章:“ちゃんとしてる”ってどういうこと?
じゃあ逆に、「ちゃんとしてるデザイン」って何でしょう?
僕の定義では、こうです:
「見た目の印象だけでなく、伝えたいことが伝わる設計ができている」
具体的には:
- 誰に向けてるのかが明確
- 伝えたい情報に優先順位がある
- 視線の流れがスムーズ
- 読みやすい、迷わせない
このあたりがちゃんと“設計されてる”と、見た目が多少野暮ったくても、伝わる力が強いんです。
たとえば、昔懐かしいチラシみたいなデザインでも、
必要な情報が一発で伝わるものって、実は「いいデザイン」なんですよ。
見た目だけじゃ判断できんけぇね、本当に。
もちろん、現代では“ある程度の洗練さ”も必要です。
ただしそれは、“目的達成のために必要な分だけ”でOK。
過剰に「映え」を狙いすぎると、目的からズレていく。
これ、クライアントワークでもすごく大事な視点です。
「見た目を整えること」だけに時間をかけて、本質を見失う…そんなケース、実際によく見ます。
でもほんま、見た目ばっか気にしとったら、伝わらんもんは伝わらんけぇね。
第3章:目的に沿ったデザインとは?
じゃあ、「目的に沿ったデザイン」ってどう作るのか?
これは僕自身が日々の仕事で特に大事にしてるポイントなんですが、「目的」って超具体的じゃないと機能しません。
たとえば、
- ただ「おしゃれにしたい」じゃなくて、「Z世代の女性に“トレンド感”を伝えて来店を促す」
- ただ「わかりやすくしたい」じゃなくて、「高齢者にも読みやすいフォントと色でストレスを減らす」
このくらいの精度で“目的”を定めて初めて、デザインの優先順位が見えてくる。
逆に言えば、「目的が曖昧なデザイン」は、どこまでやっても仕上がりません。
何度も修正が入って、「やっぱこっちの色が…」「もうちょい派手に…」みたいな迷走が始まる。
それって、「何を達成したいのか」がチームで共有されてないから起こることなんです。
つまり、デザインは目的設計が9割。
これは新人さんにも、ベテランの現場でも通じる鉄則じゃけぇ、ほんま意識してほしいポイントです。
第4章:「伝える」じゃなくて「伝わる」デザインへ
ここ、超重要な考え方なんですが、
「伝えたいこと」と「伝わること」は違う。
たとえば、「僕はこんなに頑張ってる!」って主張を、タイポグラフィでド派手に見せたとしましょう。
でもそれが受け手に「なんか必死すぎて重いな…」と伝わってしまったら、それは“伝わっていない”んです。
「ちゃんと伝える」ためには、受け手の視点に立って、
- どんな情報を
- どの順番で
- どんなテンションで届けるか
…を緻密に設計する必要があります。
ここに“見た目のオシャレさ”をかぶせてもええけど、設計の土台がなければ効果は薄い。
たとえるなら、設計ができてない家に、いくら高級家具を置いてもグチャグチャになるようなもんです。
デザインも同じ。まずは“伝わる構造”が命。
その上で、オシャレかどうかをチューニングしていくのが正解なんです。
第5章:オシャレさは「副産物」でいい
もう一度、この記事の核心に戻ります。
「“オシャレっぽい”と“ちゃんとしてる”は違う」
僕らが目指すべきは、“ちゃんとしてる”の方なんです。
それはつまり、
- 見る人がスムーズに理解できる
- 必要な情報がストレスなく届く
- 目的を果たす
その結果として「なんかオシャレに見える」なら、それはもう最高。
でも、オシャレありきで作ると、本質を見失いやすい。
ここを履き違えると、「見た目はいいのに成果が出ない」ってデザインになります。
これはビジネスでも、SNSでも、イベントでも、全部に共通する真理です。
だから僕は、
「カッコよさは、設計の副産物」
って言うてます。
第6章:まとめ──デザインで「成果」を出すために
今回の記事で伝えたかったのは、ただひとつ。
「“オシャレっぽい”だけではダメ。ちゃんと成果を出す設計が必要」
僕自身も若いころ、装飾や雰囲気で「なんかそれっぽい」ものを作って、
クライアントや仲間に「すごい!」って言われたくて頑張ってた時期がありました。
でも、現場で学び、成果に責任を持つようになって気づいたんです。
- 「見る人が読みやすいか」
- 「行動したくなるか」
- 「目的にちゃんとつながっているか」
これをちゃんと押さえてこそ、プロの仕事。
見た目に頼らず、成果にコミットできる。 それが「“ちゃんとしてる”デザイン」なんじゃと思います。
おわりに──こんな相談、お受けします。
ここまで読んでくださってありがとうございます。
「自分のデザインがこれでいいのか分からない」 「もっと目的に沿った設計がしたいけど迷っている」 「デザイナーじゃないけど、仕事で判断しないといけない…」
──そんな方のために、“デザイン相談フォーム”を用意しました。
僕はこれまで、企業・行政・エンタメ・医療など様々なジャンルの現場で、 「成果につながるデザイン設計」を行ってきました。
もしあなたが今、
- デザインを依頼したい(制作パートナーを探している)
- 今のデザインを見直したい(リニューアルを考えている)
- 非デザイナーとして、判断基準を持ちたい
…などでお悩みなら、ぜひ一度お話を聞かせてください。
以下のフォームからご相談いただけます▼
お気軽にどうぞ。 “オシャレっぽい”じゃなく、ちゃんと“伝わるデザイン”を一緒につくりましょう。
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