「Adobe Firefly × Canvaで“速くてそれっぽい”が作れる時代」 ─ ノンデザイナーでもできる“デザインごっこ”の功罪

AI
Human face emergence, building head from cubes, artificial intelligence concept, abstract 3d illustration

Adobe Firefly × Canvaで“速くてそれっぽい”が作れる時代

─ ノンデザイナーでもできる“デザインごっこ”の功罪

「とりあえずそれっぽいバナー作れた!」
「AIに作ってもらったロゴ、意外とイケてる!」
最近、そんな声が当たり前のように聞こえてくるようになった。

Adobe FireflyやCanvaの進化によって、“デザインっぽいもの”を誰でも作れる時代になった。
実際、Fireflyのテキスト生成やCanvaのテンプレはめ込みで、驚くほど「整った」アウトプットが出てくる。

でもその一方で、「整ってるけど、なぜか刺さらない」「なんか浅い」という現象も増えてきた。
この現象、実はとても興味深い“時代の転換点”を示している。

この記事では、ノンデザイナーでも簡単に「それっぽいもの」が作れる今だからこそ、
「デザインの本質とは何か?」を改めて問い直す。

そして、CanvaやFireflyの活用が「本物のデザイナー」にとって脅威ではなく、むしろ武器になる理由も整理していこう。


第1章:Canva時代の「とりあえず整える病」

Canvaの登場で、「整ったデザイン」が爆発的に量産されるようになった。

それ自体は喜ばしい進化だけど、同時に起きているのが“なんとなく整ってるけど、印象に残らない”という現象。

Canvaのテンプレは「レイアウト」「色」「文字」がすでにバランスよく設計されているため、
そのまま当てはめるだけで“それっぽく”仕上がる。

けど逆にいうと、「設計意図がない」「独自性がゼロ」のままアウトプットされてしまう危険性がある。

たとえば、イベント告知バナーを作るとき、
テンプレに「日付」「タイトル」「写真」を差し替えるだけで完成してしまう。

でも、それって“テンプレに当てはめただけ”で、
「このイベントはどんな人向け?」「雰囲気は?」「どんなアクションを促したい?」という
デザインの目的が考慮されていないケースも多い。

つまり、Canvaによって整ったビジュアルが増えた一方で、
「伝わらないデザイン」「戦略不在のデザイン」も増えている。


第2章:Adobe Fireflyで“生成っぽさ”がバレる問題

一方、Adobe Fireflyのテキスト生成や画像生成は、
「一瞬で、プロっぽいビジュアルを作れる」強力なツールだ。

でもこの「プロっぽい」っていうのがクセモノで、
最近では「生成AIっぽいデザイン」が一目でバレるようになってきた。

たとえば、以下のようなパターンがある:

  • やたら美しすぎるライティング
  • 手や指が微妙に変
  • 同じような構図の背景が多い
  • 抽象的すぎるキービジュアル

つまり、「便利さ」の裏に、“人の体温”や“感情”が感じられないという課題が潜んでいる。

Fireflyは優秀な素材生成ツールだけど、
「誰のために」「何を伝えたいのか」という意図が薄いままだと、
見る側に「なんかAIで作ったっぽいね」と見透かされてしまう。

つまり、AIで作ったデザインが悪いのではなく、
“設計と意図がないままAIに任せてしまう”ことが問題なんよね。

第3章:ノンデザイナーでも「目的思考」があれば武器になる

ここまでの話で、CanvaやFireflyが“便利だけど危うい”理由は伝わったと思う。

でも、これは決して「ノンデザイナーは使うな」という話ではない。

むしろ逆で、「目的意識」と「思考フレーム」さえ持てば、
ノンデザイナーにとっても、これらのツールは爆速で成果を出す武器になる

たとえば、Canvaを使う場合:

  • このデザインは「誰に」「何を」伝えるためのものか?
  • どんな感情を起こしたい?どんな行動を促したい?
  • そのために、どのテンプレをどう調整するのがベストか?

こういった視点を持つだけで、“ただのテンプレ差し替え”が、“目的を持った設計”に変わる。

Fireflyも同じ。AIに丸投げするんじゃなくて、
「構図の方向性」や「感情のトーン」を細かく指定することで、
より意図に沿ったビジュアルが生まれる。

つまり、ツールの進化によって“実行力”は誰でも持てる時代。
差が出るのは、「何を目的にどう組み立てるか」という設計力と意図の濃さなんよね。


第4章:「デザインごっこ」の時代にプロが担う役割

今、誰もがデザインっぽいものを作れる「デザインごっこ」時代に突入してる。

でも、ここでプロのデザイナーが本当に担うべき役割は、
「作ること」じゃなく「導くこと」にシフトしてきてる。

具体的には:

  • クライアントの「伝えたいこと」を明確にする
  • その想いを“可視化できる構造”に落とし込む
  • 必要なら、CanvaやFireflyも組み込んで仕上げる

つまりプロは、「思想設計」「伝達構造の整理」「体験設計」にフォーカスすることで、
AIやテンプレを超えた本質的な価値を提供できる。

Canvaで量産されるデザインと、
プロが思想から組み立てたデザインでは、
「伝わり方」も「結果」もまったく違う。

「あ、やっぱちゃんと考えられてるな」って人は、
ユーザーにも、クライアントにも、ちゃんと伝わる。

だからこそ、これからの時代のデザイナーは、
「つくる人」から「導く人」へシフトしていくべきやと思う。

第5章:AIとテンプレの“先”をデザインする

CanvaもFireflyも、たしかに“それっぽい”ものはすぐ作れる。

でも、ウチらが本当に届けたいのは、
「伝わる」デザイン、「刺さる」設計、「動かす」体験やと思うねん。

だから、今こそ問われるのは:

  • なぜこの構成?
  • なぜこの色?
  • なぜこのコピー?

──という「すべてに理由があるデザイン」ができてるかどうか。

これからのプロは、AIやテンプレを否定するんじゃなくて、乗りこなす
そのうえで、「設計思想」や「体験全体」で価値を出す。

それが“選ばれ続けるデザイン”をつくる鍵


まとめ:デザインごっこを超えた先にある“伝える力”

CanvaもFireflyも、めちゃくちゃ便利やし使ったらええ。

でも、「伝えたい」って想いと、「伝わるように設計する」視点がなかったら、
ただの“見た目がいい風”のテンプレやAI画像で終わってしまう。

ウチらが目指すべきは、“ごっこ遊び”じゃなくて、
「伝えるためのデザイン」「意図あるクリエイティブ」やと思う。

それが、今この“誰でもデザイナー時代”における、
プロとしての最大の価値やんね。


\ デザインにお悩みの方へ /

「Canvaで作ってみたけど、いまいち伝わらない…」
「AIで画像は出せるけど、構成や言葉の設計に自信がない…」
そんな方は、気軽にご相談ください◎

プロの視点から、“伝えるための設計”を一緒に考えます!

👉 ご相談フォームはこちら(Googleフォーム)

コメント