第1章:「配色が苦手…」は当たり前の感覚
「配色ってむずかしい…」「なんとなくダサい感じになる…」
デザインをはじめたばかりの人や、非デザイナーの方からよく聞く悩みのひとつです。
実はこの「配色がわからん」って感覚、めちゃくちゃ正常なんです。というのも、配色って“感覚”でやるように見えて、めっちゃ“理屈”があるんですよ。
しかもその理屈は、決して難解なアート理論とかではなく、「色と色の関係性」を理解すればOK。そう、色単体の知識よりも「組み合わせたときにどう見えるか」が圧倒的に重要なんです。
第2章:まずは「色相・明度・彩度」だけでいい
配色理論は奥が深く、色彩検定を受けようと思えばいくらでも深掘りできますが、
実務レベルで必要なのは、基本的にこの3つだけです。
- 色相(Hue):赤・青・緑など、色味の種類
- 明度(Brightness):明るさの度合い
- 彩度(Saturation):色の鮮やかさ
この3つのバランスさえ抑えておけば、色の組み合わせは“いい感じ”に見えやすくなります。
「この色、なんかチカチカするな…」って感じるときは、明度や彩度の差が大きすぎることが多いですし、
逆に「なんかぼやけてるな…」って感じるときは、全体が低彩度・同明度になってることが多いです。
第3章:「カラーパレット」よりも“役割”で決める
ここで注意したいのが、最初から「カラーパレットを作らなきゃ!」って頑張りすぎないこと。
確かにカラーパレットは便利です。Adobe Colorやcoolorsなど、いろんなツールで自動生成もできますしね。
でも実際には、「この色は“メインカラー”」「この色は“アクセント”」みたいに、
“色の役割”で分けたほうが、圧倒的に配色しやすくなるんです。
具体的には…
- ベースカラー(背景や余白に使う色):白 or 明るめグレー
- メインカラー(全体の印象を決める主役の色):ブランドカラーや世界観に合わせた1色
- アクセントカラー(目立たせたい要素にだけ使う):メインとの相性がいい反対色 or 補色
この3つだけ決めれば、ほぼすべての配色は構成できると言っても過言ではありません。
“いい感じ”の配色は、数じゃなくて「使い分けと役割の明確さ」なんですよ。
第4章:「色の関係性」で“いい感じ”をつくる
さて、ここからが今回のテーマの核心です。
「“いい感じ”に見える配色」って、じつは色の相性よりも“色の関係性”が整ってるかどうかなんです。
①「トーン」を揃えるだけで統一感が出る
たとえば、彩度や明度がバラバラな色を無理やり組み合わせると、どんなにおしゃれな色でもチグハグに見えます。
逆に、「全部の色が低彩度」とか「明度がそろってる」だけで、パッと見の印象は統一感が出るんです。
これは「トーン」と呼ばれる概念で、「くすみ系」「ビビッド系」など、同じトーンでまとめると一気にプロっぽくなります。
②「類似色×補色」でバランスを取る
次に意識したいのが、色相環(カラーホイール)での距離感。
似たような色(たとえばオレンジと赤)は「類似色」、真逆の位置にある色(青とオレンジなど)は「補色(反対色)」になります。
で、この類似色と補色を組み合わせてバランスを取るのがポイント。
- 類似色:統一感や落ち着きを出す
- 補色:強調やメリハリ、注目を集める
たとえば、全体をオレンジ〜赤の類似色でまとめて、アクセントに補色の青をポンと入れるだけで、「お、なんかオシャレやな」と思わせる配色が完成します。
第5章:よくあるNG配色パターンとその対処法
ここでは「ありがちな失敗例」と「どう改善するか」を見ていきます。
NG①:全部ビビッドカラー
「カラフル=目立つ」と思って、ビビッドな色ばかり使うと、目がチカチカして逆効果です。
→ 改善案:1〜2色だけビビッドにして、他を低彩度で引き算する。
NG②:グレー×ビビッドのギャップが大きすぎる
おしゃれなグレーの背景に鮮やかなビビッドを置くと、悪目立ちしてしまうことがあります。
→ 改善案:グレーも少し彩度を上げて、「くすみカラー」にしてあげると馴染む。
NG③:アクセントカラーが多すぎる
「目立たせたいものが多すぎて、結果どこも目立たない」という状態。
→ 改善案:本当に伝えたい1か所だけにアクセントカラーを使い、他は控えめに。
第6章:配色に迷ったときの“逃げ道”テクニック
「配色、やっぱ苦手なんよなぁ…」
そう感じる人は、次の“逃げ道”テクを使ってみてください。
①トーンを制限してみる
たとえば「くすみ系だけ」「淡いパステルだけ」「モノクロだけ」など、最初から色のカテゴリを絞ることで、選択肢が減って迷いが激減します。
選択肢が多すぎると脳が疲れるからね、あえて“縛る”のが逆にクリエイティブなんよ。
②参考サイトの配色を“まるっと拝借”
自分の中から色をひねり出そうとせず、良い配色をしてるサイトやデザインから“まるっと持ってくる”のも全然アリです。
その際は「色を吸い取るカラー抽出ツール(ColorPick Eyedropperなど)」を使えば簡単。
③生成AIや配色ツールを使う
Adobe ColorやCoolors、最近だとChatGPTでも「おすすめの3色配色を教えて」って聞けばパッと出してくれる。
苦手なとこはAIに任せて、自分は判断だけに集中するのが一番効率的やで。
第7章:トレンドカラーの扱い方
トレンドカラーを無理に使おうとして迷走するケースもよく見かけます。
たとえば2025年の流行色が「ミントグリーン」だったとしても、
自分のブランドが「赤系」だったら合わせるのめっちゃ難しい。
なので、トレンドカラーは…
- 配色全体に薄く混ぜる(グラデーションや背景で)
- 小物・アイコン・アクセントで使う
- ブランドカラーとトーンが近い色を選ぶ
…みたいに、“トレンドを感じさせる”程度に使うのがベスト。
流行を無視するのもリスクだけど、全部トレンドに振り回されるのはもっと危険なんよ。
最後に:色の使い方で伝え方が変わる
色って感情にも影響するし、伝え方や印象をガラッと変える力があります。
「なんかいい感じ」って思わせるデザインには、ちゃんと色同士の関係性が整ってるんよね。
どの色を選ぶかよりも、
“どういうバランスで、どんな関係性にしているか”を意識するだけで、配色の見え方は一気にレベルアップします。
📩 配色やデザイン全体の相談もOKです!
「今作ってるデザイン、配色これでいいか不安…」
「自分のブランドカラーを決めたい」
「世界観とデザインがズレてる気がする…」
そんなときは、以下のフォームから気軽にご相談ください。
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