色がごちゃごちゃするのはなぜ?─ 3色ルールと配色の黄金バランス

配色
  1. はじめに:「センスの問題」じゃなく「構造の問題」です
  2. 第1章:色が“うるさく”なる3つの原因
    1. 1.1|色数ではなく「役割の整理」ができていない
    2. 1.2|彩度・明度がバラバラで目が泳ぐ
    3. 1.3|アクセントカラーの“主張のさせすぎ”
  3. 第2章:色には「役割」を持たせろ
    1. 2.1|基本構成:「ベース/メイン/アクセント」の3階層
    2. 2.2|役割が決まれば“うるさく見えなくなる”
    3. 2.3|色は「声量」をコントロールせよ
  4. 第3章:「3色ルール」ってどう守るの?
    1. 3.1|3色ルールの内訳と応用
    2. 3.2|トーンをそろえるだけでプロ感が出る
  5. 第4章:「色数が多い」のではなく「色の距離が遠い」だけ
    1. 4.1|色相・明度・彩度の「距離感」が混乱を生む
    2. 4.2|“配色の距離”を近づけるテクニック
    3. 4.3|「濁らせる」勇気が、配色を整える
  6. 第5章:黄金バランス「70:25:5」の魔法
    1. 5.1|配色構成の黄金比
    2. 5.2|バランス崩壊の例と改善法
    3. 5.3|面積だけでなく“心理比率”にも配慮せよ
  7. 第6章:ツールに頼らず“言語化”して配色を決めよう
    1. 6.1|自分の“印象”を言葉で決めてから色を選ぶ
  8. 第7章:よくある“ごちゃ配色”を添削してみた
    1. 7.1|事例1:配色が「全部主役」になっているケース
    2. 7.2|事例2:色は悪くないけど“面積バランス”が崩壊
  9. 第8章:配色チェックリスト(保存版)
    1. ✅配色セルフチェックリスト
  10. 💬ごちゃつく配色、お悩み相談受付中!
  11. ✍️おわりに:色は「整えるため」にある

はじめに:「センスの問題」じゃなく「構造の問題」です

デザイン初心者だけでなく、ある程度経験を積んだ方でもよくある悩み。

「なんか色がうるさいんよ…」
「色数そんなに多くないはずなのに、まとまらん」
「ごちゃっと見える理由がわからん」

…これ、めちゃくちゃよく聞きます。
実はこの問題、**配色センスの話ではなく、構造(考え方)**の話なんです。

今回の記事では、色がごちゃごちゃ見えてしまう原因をロジカルに解剖しつつ、
誰でも実践できる「3色ルール」と「配色の黄金バランス」を徹底的に解説していきます。


第1章:色が“うるさく”なる3つの原因

まず、なぜ「色がごちゃごちゃ」してしまうのか?
その原因を明確に言語化していきましょう。


1.1|色数ではなく「役割の整理」ができていない

「3色にしたのにまとまらん」という人、けっこういます。
でも問題は色数ではなく、色に“役割”が割り当てられていないことなんです。

色が「なんとなく選ばれてる」状態だと、
脳は「意味のない差異=ノイズ」として認識します。


1.2|彩度・明度がバラバラで目が泳ぐ

いわゆる“カラフル病”の正体です。
たとえ色相が違っても、彩度と明度に統一感があれば案外落ち着いて見えるんですが、
それがバラバラだと目が泳ぐし、焦点が定まらんのよ。


1.3|アクセントカラーの“主張のさせすぎ”

配色の中に「目立たせる色=アクセント」を入れるのは基本ですが、
その使い方が面積的にも心理的にも“主役化”しすぎてると、全体のバランスが崩れます。

たとえば、

  • CTAボタンに真っ赤を使う
  • その周辺にも赤系グラフィックが複数ある
  • 見出しも赤、アイコンも赤

…ってなると、ユーザーはどこを見ればええんかわからんのんよ。


第2章:色には「役割」を持たせろ

ここで大前提を置いておきたいのがこれ👇

色とは“意味を伝える記号”である。

色は、ただの「飾り」ではなく、
ナビゲーションであり、強弱であり、空気感の演出装置です。


2.1|基本構成:「ベース/メイン/アクセント」の3階層

配色設計では、この3つを必ず意識します。

役割意味面積比率(目安)
ベースカラー全体を支える背景や余白の色約70%
メインカラーブランドイメージの核となる色約25%
アクセント色目を引き、注目を集める色約5%

2.2|役割が決まれば“うるさく見えなくなる”

この考え方を導入すると、「なんでこの色がここにあるん?」という違和感が減ります。
逆にいうと、役割が不明瞭な色は、“ただの異物”として処理されるんです。


2.3|色は「声量」をコントロールせよ

色って、例えるなら「人の声」みたいなもんです。
全員が大声でしゃべったらうるさい。
誰かが落ち着いた声で話すからこそ、主役が引き立つ。

→ 配色は“声量のミックス”と捉えると、直感的にも整理しやすくなるけん、おすすめ。


第3章:「3色ルール」ってどう守るの?

「3色ルール」と聞くと、「3色しか使っちゃダメなん?」と思われがちですが、
正しくは、“主要カラーを3つに絞る”という設計ルールです。


3.1|3色ルールの内訳と応用

  • ベースカラー(背景・余白に使う色)
  • メインカラー(ブランド感やイメージ色)
  • アクセントカラー(目を引かせたい場所)

この3色を決めた上で、
その派生(濃淡・グラデーション・類似色)を展開するのはOKなんです。


3.2|トーンをそろえるだけでプロ感が出る

3色の選定で迷ったら、まずはトーン(明度・彩度)をそろえる
「スモーキー系で統一」
「パステル系でまとめる」
このだけで、驚くほど印象が整います。


第4章:「色数が多い」のではなく「色の距離が遠い」だけ

配色がごちゃつく原因って、単純に色数じゃないことが多いんです。
本当の原因は、“選んだ色の距離感”が遠すぎることにあります。


4.1|色相・明度・彩度の「距離感」が混乱を生む

たとえばこの組み合わせ👇

  • ビビッドな赤(高彩度・高明度)
  • ダークネイビー(低彩度・低明度)
  • エメラルドグリーン(中彩度・中明度)

この3つ、色数は3つなのにどう見ても落ち着かん
理由は、色の性質がバラバラすぎて視覚の“リズム”が取れないから。


4.2|“配色の距離”を近づけるテクニック

配色バランスを整えるなら、以下のどれかで“距離感”を縮めることが有効です。

  • トーン(明度×彩度)を近づける
  • 色相(色み)を類似系に寄せる
  • 白/黒/グレーを混ぜて落ち着かせる

とくに、“トーンで揃える”のはプロの現場でも基本中の基本。


4.3|「濁らせる」勇気が、配色を整える

初心者ほど「ビビッドな原色」を使いがちなんですが、
プロほど「濁らせた色」を使ってます。

なぜなら、濁色(にごりいろ)の方が主張が抑えられて、他の色を活かせるから。

例)

  • ベース:グレージュ
  • メイン:くすみブルー
  • アクセント:ディープオレンジ

この組み合わせ、派手すぎず、でも“地味にかっこええ”印象になります。


第5章:黄金バランス「70:25:5」の魔法

前章で軽く触れた配色バランス、ここでしっかり深掘りします。


5.1|配色構成の黄金比

項目役割面積比率の目安
ベースカラー空気感・背景・余白約70%
メインカラーブランドの印象を支配する色約25%
アクセント色強調・誘導に使う色約5%

この「70:25:5」のバランスを守るだけで、
見た目が一気に“プロの仕事”になります。


5.2|バランス崩壊の例と改善法

NG例:

  • 背景:ライトグレー(60%)
  • メイン:赤(25%)
  • アクセント:黄色(15%)

→ 結果:全体がちかちかして安定感がない

改善例:

  • 背景:ライトグレー(70%)
  • メイン:ネイビー(25%)
  • アクセント:オレンジ(5%)

→ 結果:落ち着いた中にしっかりと強調が効く


5.3|面積だけでなく“心理比率”にも配慮せよ

配色比率の面白いところは、実際の面積以上に“目に入る印象”が左右されることです。

たとえば、真っ赤なCTAボタンは小さくても「目に入る率」が高い。
つまり、心理的には「面積以上に目立ってる」んです。

だからこそ、**“目立ちすぎる色は少なめに使う”**が鉄則になります。


第6章:ツールに頼らず“言語化”して配色を決めよう

最近はカラーピッカーや配色ツールも多くて便利ですが、
それだけだと配色が“人任せ”になるリスクもあります。


6.1|自分の“印象”を言葉で決めてから色を選ぶ

僕がよくやるのはこれ👇

  1. まず「どんな印象にしたいか」を言語化(例:清潔感・知性・安心感)
  2. それに合う色の“属性”を考える(例:明度高め・彩度低め・寒色系)
  3. 最後にツールで該当カラーを探す or 自作する

これができるようになると、
配色で迷う時間も減るし、「色の根拠」が生まれて自信を持てるようになるけんね。


第7章:よくある“ごちゃ配色”を添削してみた

ここでは実際にありがちな配色パターンを例にして、
なにが問題で、どう直せばいいかを解説していきます。


7.1|事例1:配色が「全部主役」になっているケース

構成:

  • 背景:白
  • 見出し:赤
  • ボタン:オレンジ
  • アイコン:青
  • アニメーションに黄色の光が点滅

問題点:

色数は4〜5色程度なのに、**“全部が前に出てきてしまう”**構成。
これじゃあ、ユーザーの目線が定まらんのんよ…


改善ポイント:

  • 見出しはネイビーなどの“中彩度寒色”に変更して落ち着かせる
  • アクセントカラーをオレンジに絞り、それ以外は抑える
  • アイコンはグレー系にしてサブ要素に徹する

→ 結果:視線誘導が明確になり、落ち着いた印象に!


7.2|事例2:色は悪くないけど“面積バランス”が崩壊

構成:

  • ベース:ライトグレー
  • メイン:くすみブルー
  • アクセント:ビビッドイエロー(面積大)

問題点:

配色のセレクト自体は今っぽいのに、
アクセントの“面積がでかすぎ”て全部持っていかれるパターン。


改善ポイント:

  • 黄色の使用面積を絞り、「CTAボタンのみ」に限定
  • ヘッダーやフッターに使っていた黄色を、メインカラーと同系色に置き換え

→ 結果:アクセントが“効く場所だけに効く”ようになって引き締まる


第8章:配色チェックリスト(保存版)

最後に、配色で迷ったときに使える簡易チェックリストをつけておきます!
制作中にパッと見返せるように、テンプレートとして使ってください。


✅配色セルフチェックリスト

チェック項目YES / NO
色ごとの「役割」が明確になっているか?✅ / ❌
配色が「70:25:5」の黄金バランスになっているか?✅ / ❌
色の“トーン”が近い(統一感のある)グループになっているか?✅ / ❌
アクセントカラーが“目立ちすぎていない”か?✅ / ❌
“印象”→“色選び”の順番で決めているか?✅ / ❌
濁色や中間色を使って“主張の強弱”を設計しているか?✅ / ❌

全部YESになったら、配色バランスはかなり良好なはず◎
一個でもNOが多い項目があったら、そこを重点的に見直すのがおすすめです。


💬ごちゃつく配色、お悩み相談受付中!

ここまで読んでくださって、ありがとうございます。
「色って難しい…」「うまくまとまらん…」と感じたあなたへ。

  • 「配色を一緒に見てほしい」
  • 「3色ルールを具体的に適用してほしい」
  • 「ブランドの印象と配色のギャップを相談したい」

そんなときは、お気軽に以下のフォームからご連絡ください👇

📩 無料デザイン相談フォーム
https://docs.google.com/forms/d/1fptnXOg0HCzFWKg1Xldgi_IRyiHv3vwV-5uLtUMFA1s/edit


✍️おわりに:色は「整えるため」にある

色は、目立たせるためのもの。
だけど本当に上手い人は、**“整えるために色を使う”**んです。

色が整えば、視線が整う。
視線が整えば、印象が整う。
そして、印象が整えば──デザイン全体が“伝わる”ようになる。

それを実現するために、今回紹介した「3色ルール」や「黄金バランス」を、
ぜひあなたの現場でも使ってみてください。

また次の記事でお会いしましょう。
読んでくれてありがとう。
ほいじゃの〜!

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