「“ナビゲーション力”がデザインを決める」─ 見る人を迷わせない設計とは?

ナビゲーション
This way signpost

第1章:なぜ“ナビゲーション力”が重要なのか?

デザインの世界で「ナビゲーション」と聞くと、Webサイトのメニューやリンク構造を思い浮かべる人が多いかもしれません。でも、僕がここで言いたい“ナビゲーション力”というのは、もっと広い意味です。

それは「見る人の意識をどこに向けさせるかをデザインでコントロールする力」のこと。

たとえば、ポスターでも、LPでも、名刺でも、チラシでも。人の目線は放っておくと自由気ままに動きます。せっかくデザインを作っても、見てほしい情報がスルーされていたら意味がないんですよね。

つまり、どんなデザインであれ、「視線誘導」や「情報の優先順位づけ」ができているかどうか。それが“ナビゲーション力”です。

そしてこの力、実は“デザインの良し悪し”を決める根幹とも言えるんです。


第2章:迷子になるデザインの特徴

では逆に、“ナビゲーション力”が弱いデザインにはどんな特徴があるのか。

僕の経験上、以下のような共通点があります:

  • 文字のサイズが均一で、重要度がわからない
  • 配置のリズムがなく、視線の流れが止まる
  • 色の使い方がランダムで、どこを見ればいいか混乱する
  • 余白が足りず、情報が詰め込まれて息苦しい
  • 要素間の“つながり”が感じられず、文脈がつかみにくい

これらすべてが「見る人を迷わせる原因」です。

例えば、「このボタン押してほしい!」って気持ちがあっても、そこに至るまでの流れが設計されていなければ、見る人は迷子になります。

これ、地味だけど致命的。

つまり、デザインの第一歩は“整理”なんです。「何を目立たせて、何を控えめにするか」を明確にし、視線の流れを設計することが必要不可欠なんです。


第3章:ナビゲーションの基本三原則

じゃあ、“ナビゲーション力”を鍛えるにはどうしたらええん?という話に進みましょう。

僕が現場で意識してるのは、以下の3つの原則です。

1. 視線のスタート地点を決める

まず、見る人が最初に目を向ける場所を“意図して”設計すること。多くの日本語のデザインは「左上から右下」に視線が流れることが多いです。

なので、そこを意識して「見出し」「写真」「ビジュアル」のどれをどこに配置するかがポイントになります。

2. 情報の階層をつける

「どれが一番大事か」をビジュアルで“ヒエラルキー化”する。たとえば、

  • メインメッセージは大きく、太く
  • サブメッセージは少し控えめに
  • 補足はグレーや小さいサイズで

こうやって「見る順番」を視覚的に誘導していくんです。

3. “次に見る場所”を誘導する

視線は動くもの。なので、「次どこ見ればええん?」を設計することが超重要です。

具体的には:

  • 余白を使ってリズムを作る
  • 矢印やラインで動線を示す
  • 要素を斜め配置して、流れを作る

こうした“視線のガイド”があると、見る人は自然と情報を読み進めてくれるんです。


第4章:意図なきリンクが迷子を生む

ナビゲーションという言葉が示す通り、デザインには「導く力」が必要です。 ところが、Webサイトやアプリでよく見られるのが、“リンクの氾濫”です。

リンクが多ければ多いほどユーザーに親切、と思ってしまうのは初心者がやりがちなミスの一つ。

でも実際には、リンクが多すぎると「結局、どこを見たらいいのか分からない」状態になり、ユーザーの行動が止まってしまうんですね。

リンク設計の基本ルール:

  • 1ページに設置する主導線は1〜2個に絞る
  • 補助導線(例:関連記事や問い合わせ)は視認性を抑えたデザインにする
  • “重要度”と“視認性”を比例させる

要するに、「どのリンクに一番行ってほしいのか?」という“意図”を明確にして、それ以外はあえて控えめに設計する。

これは、ナビゲーション設計の鉄則です。

第5章:見る順番までコントロールする「視線誘導」

ナビゲーション力とは、単にリンクやボタンの話だけではありません。

視線の流れを計算して、どの順番で情報が目に入ってくるかまで設計するのが本物のナビゲーション設計です。

僕が意識している視線誘導のポイント:

  1. Z型 or F型レイアウトをベースに組む
  2. 情報に“リズム”をつける(見出し → 空白 → 本文 → 装飾)
  3. 強調色(アクセントカラー)は“次に読ませたい場所”に置く
  4. アイキャッチ画像やイラストの「視線の向き」も誘導に使う

これらを踏まえると、デザイン全体が「見る人の気持ち」を先回りして案内するようになります。

広島弁で言うなら、「ほいじゃけぇ、こっち見てみんさい」っていう優しい誘導を、デザインの中で実現していくイメージです。


第6章:ナビゲーション力を鍛える方法

じゃあ、どうすればナビゲーション力を身につけられるのか?

ここでは、僕が実際にやって効果的だった方法を3つ紹介します。

① 優れたUIの“模写”をする

UI/UXに優れたサイト(例:Apple、Spotify、Airbnbなど)を見て、「どこが分かりやすいのか」「導線がどんな風に組まれてるか」をトレースしてみる。 これは本当に力になります。

② テストユーザーに使ってもらう

デザインが完成したら、誰かに実際に操作してもらい、「どこで迷ったか」「どこを押したか」を記録します。 ナビゲーションの精度を上げるには、“実際の迷い”に直面することが大切です。

③ 1画面=1メッセージの原則を意識する

画面全体にいろんな情報を詰め込むのではなく、「この画面では〇〇を伝える」とテーマを1つに絞ることで、ナビゲーションが明確になります。

第7章:ナビ設計も、デザイン相談から始めよう

ナビゲーション力が上がれば、

  • デザインの“意図”が伝わる
  • ユーザーが迷わなくなる
  • 結果として「成果」に直結する

という好循環が生まれます。

でも正直、ナビゲーション設計って、独学ではなかなか鍛えにくい領域でもあります。

だからこそ、

いまのデザイン、迷いやすくなってない? ナビゲーション力、ちゃんと意識できてる?

といった視点で、一度見直してみるのがオススメです。


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もし、今のデザインが「ちょっと詰まってるな」とか「成果につながってない気がする…」と感じたら、お気軽にご相談ください。

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