はじめに:Pinterestから“世界の空気感”を読む
こんにちは、デザイナーの僕です。
2025年の夏。デザインの現場では、いよいよAI時代の本格化、SNSアルゴリズムの変化、そしてZ世代の感性シフトが重なり、目に見えて“トレンドの変動速度”が上がっています。
その中でも、「Pinterest(ピンタレスト)」は相変わらず強い。
視覚的な検索性、ユーザー主導のブックマーク文化、そして世界中の“感覚の潮流”が一気に見えるツールとして、僕も日々チェックしています。
今回の記事では、2025年夏、Pinterestで人気を集めているデザイン傾向をテーマに、海外の潮流をいかに読み、僕らの制作現場に落とし込むか?をじっくり言語化してみます。
「トレンドって、ただ真似るもんじゃない。自分の“土壌”にどう咲かせるかなんよ」
そう思うすべてのクリエイターに、ヒントを届けられたら嬉しいです。
第1章:2025夏、Pinterestで特に目立つ「5つの潮流」
2025年夏、Pinterestで検索・保存数が急上昇しているキーワードやビジュアル傾向を分析したところ、以下の5つの軸が浮かび上がってきました。
1. Neo-Organic(ネオ・オーガニック)
- 土や自然をモチーフにしながらも、抽象性や幾何学が融合した表現が流行中。
- カラーパレットは、アースカラー+アクセントにビビッドなコントラスト。
例)
- 焼き物のような質感グラデ
- 曲線を用いたゆらぎのあるタイポ
- “静けさ”と“未来感”の混在したUIパーツ
2. Digital Craft(デジタル・クラフト)
- ハンドメイド風のテクスチャやアナログ感をデジタルで再構成する表現。
- ノイズ、紙の質感、スキャンしたような歪みなど、**“意図的な不完全さ”**が人気。
Pinterestのピンにも、刺繍風グラフィックや、デジタルコラージュっぽいレイアウトが急増中です。
3. Dopamine Color(ドーパミンカラー)
- パステルでもビビッドでもない、「**気分がアガる中間色」**がトレンド。
- ブルーとオレンジ、ライムグリーンとベージュ、みたいな遊びある配色がよく保存されています。
4. Retro Maximalism(レトロ・マキシマリズム)
- 70〜90年代のミックス再燃。いわゆる“Y2K”より少し土っぽく、よりグルーヴィ。
- 大胆な構成・過剰装飾を楽しむスタイルがZ世代に刺さってるみたいです。
5. Mood Typography(ムード・タイポグラフィ)
- フォント単体で「空気感」を作る手法が広がってます。
- 特にセリフ系/手書き風/中太の可読性あるフォントがよくピンされてます。
第2章:なぜ今、このデザインがウケるのか?
Pinterest上で人気を集めているデザインって、ただ“オシャレだから”だけじゃない。
その背景には社会的・心理的な文脈があって、そこを読み解くことで応用の幅がグッと広がります。
1. “情報爆発時代”の視覚リテラシー疲れ
SNSやAI生成コンテンツの急増により、視覚疲労・選択疲労を抱えるユーザーが増加しています。
だからこそ、やさしい色味・曖昧さ・曇りのある表現が支持されやすい。
「Neo-Organic」や「Digital Craft」には、まさにその癒し効果があるんです。
2. 自己表現=混ぜるセンスの時代
Z世代以降、「何が好きか」ではなく「どう混ぜるか」がセンスになる流れ。
「Retro Maximalism」はその典型で、“盛る”ことで逆に自分らしさが浮かび上がる手法として機能してます。
3. “AIにできないこと”の価値上昇
AI生成があふれるなか、あえて“不完全”をデザインに取り入れることで、差別化と人間らしさを出そうとする傾向も見えます。
その結果として、「Digital Craft」や「Mood Typography」のような“味”のある表現が人気を集めているんですね。
第3章:日本のデザインに活かすヒント
ここからが本題。
これら海外トレンドを、どう日本の現場に活かすのか?
いくつか、即実践できる視点の持ち方を共有します。
1. カラーパレットは「1色ノイズを足す」
例えば、ナチュラル系ブランドにありがちな「ベージュ・白・グリーン」の配色。
ここにあえて「ライムグリーンやビビッドパープル」を1滴だけ加えると、一気にPinterestっぽくなります。
→ 違和感を“狙って”使うのがポイント。
2. タイポは“空気を演出する道具”として使う
情報を伝えるだけじゃなくて、「雰囲気」を演出するためのタイポ使いを意識してみてください。
- あえて英字を使う
- 曲線を活かす
- タイポグラフィ単体をビジュアルにする
そんな工夫が、“今っぽさ”に直結します。
3. グリッドからは、たまに脱線せよ
Pinterestで人気のあるデザインって、どこか“脱力”してるんですよね。
かっちりしすぎず、ちょっとズレてる・ちょっと遊んでる。それが“こなれ感”につながる。
だから、たまには
「あえて揃えない」
「あえてゆがませる」
みたいな小技も試してみてください。
第4章:Pinterest活用で“トレンドの種”を育てる方法
さて、ここからはちょっと実践的な話を。
「Pinterestをデザインのインスピレーションに使う」って言っても、ただ眺めるだけじゃ意味ないんですよね。
ちゃんと“仕込み”として使わんと。
以下に、Pinterestを“未来の流行の芽”として活用するための5ステップをご紹介します。
STEP1:ボードは“用途”ごとに分ける
Pinterestをスクラップブック代わりに使ってる人、多いと思います。
でもごちゃ混ぜだと後で使えんけん、「配色」「タイポ」「UI」など、用途別に分けるのがおすすめ。
📌 例:
- ColorPalette_2025SUMMER
- Typography_Mood
- UI_GlobalTrend
STEP2:ピンに一言メモをつける
保存する時に「なぜ保存したのか?」をひと言でいいから書いとく。
これだけで、後から見返す時の“自分のセンスの軸”が見えてくるんよ。
🗒 例:「フォントの余白感が心地いい」「この色の組み合わせ、和風にも使えそう」など。
STEP3:1ヶ月に1回“流行りすぎ”を削除する
一度は「おおっ!」って思ったデザインでも、
1ヶ月後に見返して「もう飽きたな」って感じるものって、実は多い。
そういうピンは、思い切って削除 or ボード移動。
“今の自分”にフィットするトレンド感だけを残すんがコツ。
STEP4:Pinterest × 自社商品で妄想シミュレーション
自分が手がけてるブランドや案件を想定して、
「このトレンドを入れるとしたら、どう料理するか?」っていう妄想をする。
これはまだないものをつくる想像力の筋トレになるんよ。
🧠 例:「このビビッドカラーを、落ち着いた不動産サイトに入れるなら?」「このレトロフォント、スイーツブランドならどう?」とか。
STEP5:オリジナルに落とし込む“翻訳力”を磨く
最終的には、“海外トレンド”を“日本人の感性”に落とし込む翻訳センスが求められます。
それって結局、「自分の解釈で1mmズラす力」やけん。
- ストレートに使わず、ワンクッション置く
- 配色だけ借りる
- 構成は真似ず、空気感だけ参考にする
こうやって、自分だけの解釈=「再構築されたPinterestトレンド」ができるんです。
第5章:Pinterestは“未来”の検索ツールである
僕がPinterestを推す最大の理由は、
「未来のニーズが先に見える」からです。
Google検索は“今必要なもの”を探すツール。
一方でPinterestは“なんとなく好き”“気分がいい”という、直感に訴える未来の種を探す場所。
だから、Pinterestで人気が出ているということは、
「その感覚が、近い将来“当たり前”になる可能性が高い」
つまり、
Pinterestは“検索”というより“予知”なんです。
おわりに:海外トレンドは「使いこなしてナンボ」
トレンドを追うのって、流されることじゃありません。
**自分の世界にトレンドを“連れてくる力”**こそ、デザイナーとしての本質だと思います。
海外トレンドを知り、翻訳し、活かしきる。
そんな視点で、これからの制作をアップデートしてみませんか?
Pinterestは、そのための“魔法のレーダー”です。
💬デザイン相談はこちらから!
もし今回の内容を踏まえて、
- 「ウチのブランドにこの表現合うんかな?」
- 「配色やタイポを一緒に見てほしい」
- 「Pinterestを参考にしつつ、自分だけの世界観をつくりたい」
…そんなふうに感じた方は、ぜひお気軽にご相談ください👇
📩 無料デザイン相談フォーム
https://docs.google.com/forms/d/1fptnXOg0HCzFWKg1Xldgi_IRyiHv3vwV-5uLtUMFA1s/edit
付録:トレンドに振り回されないための「3つの心得」
最後にちょっとだけ、
トレンド迷子にならんための心得を共有して終わろうと思います。
Pinterestを活用する中で、「なんでもかんでもオシャレに見えて分からんくなる…」ってこと、ありませんか?
ウチも昔ようあったんよ。
でも以下の3つを意識し始めてから、トレンドとの“いい距離感”を保てるようになりました。
1. トレンド=答えじゃなくて問い
トレンドって、流行ってるから“正解”ってわけじゃないんよね。
むしろ「これってなんで流行ってるんじゃろ?」って問いを立てるための材料。
答えじゃなくて、ヒント。
流行そのものよりも、「背景にある価値観や時代の気分」にアンテナ張っとくのがポイント。
2. 「自分の好み」と「ユーザーの好み」を分けて考える
これはほんま大事。
Pinterestで“自分が好きなデザイン”を集めるのはOK。
でも、クライアントやユーザーが求める方向性と混同したらアカン。
「ウチが好きなやつ」
「ターゲットが共鳴するやつ」
この2軸を明確にして、どっちかに寄せるか、掛け合わせるかを意図的に選ぶことが大切です。
3. “先取りする勇気”を持て
Pinterestを見てると、
「これ、たぶん日本ではまだ早いかな…」って思う表現も多いです。
でも、そこで尻込みせずに、“半年〜1年先”を見越して自分の制作に落とし込んでいく勇気がめちゃくちゃ重要なんよ。
トレンドの最前線は、
“見慣れてないけど心地いい”という絶妙なバランス。
そこを掴めるデザイナーは強いです。
🔚まとめ:Pinterestは「感じる→考える→活かす」のサイクルを磨くツール
- 感じる(なんか好き、気になる)
- 考える(なんで好き?どこがいい?)
- 活かす(自分の制作にどう入れる?)
この3段階をPinterestでぐるぐる回すことで、
トレンドに強く、でも自分らしさを失わないデザイナーになれると思います。
🎁無料相談はお気軽にどうぞ!
トレンドの解釈や使い方について、
もっと踏み込んで話したいという方は、ぜひこちらからご相談ください👇
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案件じゃなくても、ちょっとした壁打ちとかでも大歓迎です◎
✍️おまけ:今回紹介したトレンドキーワード
トレンド名 | 意味・特徴 |
---|---|
Neo-Organic | 自然×抽象。やさしくて未来感のあるデザイン。 |
Digital Craft | アナログの温度感をデジタルで再現した表現。 |
Dopamine Color | “気分がアガる”絶妙な中間色。 |
Retro Maximalism | 70〜90年代の大胆で盛った構成。 |
Mood Typography | 空気感を演出するフォントの使い方。 |
気になるキーワードがあれば、Pinterest内でそのまま検索してみてくださいね!
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