第1章:「どこかで見た」デザインが増えすぎた
近年、SNSやポートフォリオサイトを眺めていると
「これ、どこかで見たことあるな…」というデザインに出会う機会がやたらと増えたように感じます。
もちろん、参考にすることは悪いことではありません。
でも、どの作品にも“差”がなくて、
「誰がつくったのか」「何を伝えたいのか」が見えてこない──
そんな“量産型”デザインが蔓延している現状があります。
特に、AIやテンプレート文化が広まった今、
「きれい」「整ってる」「おしゃれ」だけでは武器にならない時代になりました。
じゃあ何が必要か?
それは、「思想」です。
もっと言えば、“自分だけの問い”や“信じる世界観”を持っているかどうか。
第2章:思想がないと、戦えない時代が来た
今の時代、デザイナーは「作品」ではなく「思想」で選ばれるようになってきています。
クライアントは、「この人なら、自分のブランドを一緒に育ててくれそうだ」と思える“軸”を求めているんです。
たとえば──
- 他と同じようなロゴでは意味がない
- 一時的なトレンドより、ブランドの信念に寄り添いたい
- 見た目より「背景」を語れる人に依頼したい
このように、表面のアウトプットだけでなく、
「なぜ、そう考えたのか?」という“内面の理由”に共感する時代になっています。
だからこそ、
「自分はこういう思想でつくってます!」
とハッキリ言えるクリエイターが強い。
逆に言えば、「思想のないデザイン」は、今後ますます埋もれていくってことなんよね。
第3章:「思想=哲学」ではなく、「問いの積み重ね」
ここで誤解してほしくないのは、
思想って別に「哲学」や「アート論」みたいな大げさなもんじゃなくていいんです。
僕が思うに、思想とはもっとシンプルなもの。
「なんでこれをつくったのか?」という“問いの積み重ね”のことなんよ。
たとえば、
- なぜそのフォントを選んだのか?
- なぜその構図にしたのか?
- なぜこの順番で情報を見せたのか?
これにちゃんと「自分の言葉」で答えられるかどうか。
これが思想であり、ブランドとしての芯になる部分なんです。
「なんとなく良さそうだったから」じゃ、もう通用しない。
誰かがつくった“答え”じゃなくて、自分の中にある“問い”からスタートできるかどうか。
そこが、量産型と突き抜ける人の違いじゃと思うんよ。
第4章:「突き抜ける人」の共通点とは?
僕のまわりにも、“突き抜けてるな”と思うデザイナーやクリエイターがいます。
共通して言えるのは、彼らはみんな「何のためにデザインするのか?」がハッキリしているんですよね。
つまり、技術があるとか、見た目がオシャレとか、そういう話じゃなくて、
「何を実現したくて、それをやってるのか?」という目的意識がすごく強い。
- 「社会課題を可視化するために」
- 「子どもたちに希望を見せたくて」
- 「自分の中の違和感を作品に昇華したい」
その“思想”が行動を決めて、アウトプットに滲み出る。
だから、唯一無二の“空気感”が生まれる。
技術や流行はコピーできても、「思想」はコピーできんのよ。
そこが、突き抜けるための“壁”であり“突破口”なんです。
第5章:思想が“ブランド”に昇華する瞬間
ブランドって、ロゴや色の話じゃなくて、
「この人(この会社)に頼みたい」って思ってもらえる状態のことだと思うんです。
つまり、「信頼」と「共感」の結晶体。
それをつくるのが、“思想”なんよ。
たとえば──
- 他の人なら断られてたかもしれない予算で依頼が来る
- 「あなたの考えに共感しました」と言って相談が来る
- 作品を見ただけで「この人のデザインだ」とわかる
これって、単なる技術力では起きない。
“言葉にできる哲学”があってこそ、はじめて“ブランド”として見なされるんです。
言い換えれば、思想のアウトプットが蓄積されていくことで“ブランド”は育つということ。
だから一発勝負じゃなくて、日々の発信や、作品の中にちゃんと“思想の種”を植えていくことが大事。
第6章:思想を“見える化”する技術
「でも、思想ってどうやって伝えるの?」
ここが最大のハードルかもしれません。
僕がやってる方法をいくつか紹介します。
① 言語化する
自分のデザインや企画について、「なぜこうしたか」を言葉にしておく。
ブログ、SNS、ポートフォリオでもOK。
言葉にすることで、思想は伝わるし、育つ。
② 作品にストーリーを込める
ただキレイに見せるんじゃなくて、
背景にある課題や意図を「見せ方」や「構成」に反映させる。
物語性のあるデザインは、人の記憶に残ります。
③ 誰かの“価値観”に影響を与えることを意識する
最終的に、デザインは誰かの感情や判断を動かすためのもの。
「どう動いてほしいか?」まで設計できれば、それはもう“思想の伝達”です。
第7章:「突き抜ける個人」になるための3ステップ
じゃあ、どうすれば“思想のあるデザイナー”として突き抜けられるのか?
僕なりに考えたシンプルな3ステップを紹介します。
ステップ1:問いを持つ
何のためにデザインするのか?
誰のためにつくるのか?
このプロジェクトの「目的」って何?
──とにかく、“問い”を放棄しないこと。
量産型は「答え」から始まる。
突き抜ける人は「問い」から始めるんです。
ステップ2:自分の思想を言語化する
SNS、ブログ、ポートフォリオ。
アウトプットする機会は今、めちゃくちゃ多い。
「思想を見せる場」は自分でつくれる。
大事なのは、“どんな作品か”より“どんな考えで生まれたか”。
ちゃんとそれを、他人に伝わる言葉で書く習慣を持とう。
ステップ3:思想と行動を一致させる
思想がある人って、実は「矛盾がない人」なんです。
言ってることと、やってることが一致してる。
だから信頼されるし、共感もされる。
だからこそ──
デザインも、発信も、働き方も、自分の思想と矛盾してないか?
常に問い直すクセを持つことが大事なんよ。
第8章:思想を育てる“デザインの習慣”
最後に。
思想を育てるには、日常的な“習慣”も超大事なんよね。
- 自分がつくったものを、毎回ちゃんと振り返る
- 日々の違和感をメモする
- 他人のデザインを「自分だったらどうするか?」で見る
- 定期的にポートフォリオを更新して、思想のアップデートを確認する
このあたりは、派手ではないけど、
“思想を鍛える筋トレ”みたいなもんです。
地味な積み重ねの先に、
「あ、この人のデザイン、なんか違う」って感じてもらえる力が宿る。
おわりに:量産型の時代を抜けていく人へ
AIやテンプレが普及し、
“量産”が誰でもできるようになったからこそ、
人間にしかできない“思想”が光る時代が来たんだと思います。
誰かの真似じゃなく、自分の信じるものを表現する。
それが、これからのブランドの土台になる。
「何をつくるか」より「何を信じてるか」。
その問いが、デザインの未来を変えていくんじゃと思うんよ。
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